転職しなければならないが、どういう業界がいいのか分からないと希望退職に応じたのはいいが、応募先が見つからず路頭に迷っている40代は多いです。
40代の転職は想像以上に過酷ですよ。
大手企業に在籍している方なら、アウトプレースメントが支援してくれますが、どんなに労働環境が悪かろうが希望退職に応じないでください。
彼らの言うことのほとんどが事実とかけ離れていますから。
40代の転職先90%以上が、中小企業とベンチャー企業というデータがあります。
「ベンチャー企業なんて危ないんじゃないの?」と想像する方が大半ですが、中小企業と違いライバルがあまり多くなく内定をゲットできます。
私もベンチャー企業に2社内定しましたが、社風が合わなかったので結果的に辞退という形になりました。
目次
そもそもベンチャー企業は独創性を持つ企業を指す言葉
そもそもベンチャー企業とは、企業として新規事業に取り組むことを指します。
しかし現代においては、独自の発想力や技術を活用して、これまでとは全く異なる新たなビジネスを繰り広げる中小企業のことを指すことのほうが多いように感じます。
またベンチャー企業の特徴として、2~3年で株式市場に上場することを目標にしている企業が多い割合で存在しています。
意外に感じるかもしれませんが、ベンチャーブームは既に1970年代から既に始まっています。
1970年代の第一ベンチャーブーム、1980年代からの第二次ベンチャーブーム、そして現在のバブル経済崩壊後の第三次ベンチャーブームです。
急成長するベンチャー企業には幾つもの特徴があるわけですが、 「経営者が魅力的」「ビジネスモデルが独創的で、事業として将来性がある」「明確に差別化された術がある」 といった、大企業には模倣することが難しい何かがあるベンチャー企業はことごとく業績を拡大しています。
ですから、ひとつの判断基準として何一つ独創性のないベンチャー企業には絶対に転職しないことです。
ベンチャー企業で40代が必要とされる成長ステージ
転職活動で候補となる企業を選ぶ際に、注目すべきポイントの一つとして企業の成長ステージ的な概念が存在します。
同業種、同職種、ポジション的に同じであったとしても、企業がどの成長ステージにあるかによって求められる人物像は異なります。
それゆえ、自分の力を最大限に発揮しやすい環境を見極めることが重要になってきます。
企業が成長を遂げていく過程には、大きく分けて4つの成長段階があります。
創業期 ベンチャー多し
成長期
成熟期
衰退期
です。
当然といえば当然ですが、どの成長ステージにあるかによって課題や組織状態が異なりますし、採用側がどのような人材を欲しているのかも違ってきます。
特に、多くのベンチャー企業が属する創業期段階の企業は、会社の設立・稼働から間もないことがほとんど。
アイデアや技術力はあるものの、それを実行に移す人材が足りていない状態であることが多く、「事業開発」「戦略企画」などの40代経験者が求められることが多い傾向にあります。
特に、社長や経営陣の理念に共感して、彼らと同じ情熱を持って事業を推進できる人物がピッタリ。
また、社内の仕組みやルールを作り上げてきた人物も一致しますので、該当する40代は、積極的にベンチャー企業を狙ってみると良い結果が出ることでしょう。
40代は転職対象としてベンチャー企業を見ているか?
一生で何度も経験することがないゆえに、これといったノウハウが溜まりにくい転職活動において、成否を決める最大の要素は実は自分ということに気づきません。
これは認知バイアスと呼ばれるもので、転職を考える以前から見聞きした情報が、自分の頭の中に出来上がっており先入観が、多くの選択肢を潰してしまう。
先入観のネタは最初は米粒程度の小さいものでも、調べれば調べるほど自分に都合のいい情報だけ集めるようになり、さらに先入観を増強して自己増殖していく傾向があります。
これは心理学的に見て、ある決断をするとその後に得られた情報を、勝手に決断した内容にすり替えていく心理メカニズムが働いてしまいます。
特に、様々な社会経験をしてきた40代は認知バイアスが強い傾向にあり、「ベンチャー企業はすべてブラックだ」とか「ベンチャーの仕事はすべてITだから結局は使い捨てにされて将来性がない」というように、ベンチャーに当てはまるキーワードをすべて同一視してしまいます。
社長の人格も違えば、社歴も違うし、職場で働く社員達もまったく同条件な訳はなく実際には千差万別。
それらが全て一括りにブラック将来性がないと考えてしまい、反射的に転職対象から排除してしまい、自ら範囲を狭めてしまいます。
40代が考えるべきベンチャー企業への転職リスク
そうは言うものの、やはりベンチャー企業への転職リスクは存在します。
確かにベンチャー企業は、創立から時間が経っていないにもかかわらず、大企業が見当たらないニッチな(隙間)分野で事業展開し、急成長を目指す企業です。
信用面や資金面では大企業には太刀打ちできず、考えていた程も売上高が伸びずに、経営破綻する危険性が高い傾向にあるのも事実です。
しかし、現代においではベンチャー企業と主張しいても、億を超す金額で資金調達をしていたり、企業規模が巨大なベンチャー企業も多数いる様子。
例としてDeNaやサイバーエージェント、楽天などが有名どころでしょうか。
こういったベンチャー企業は破綻のリスクは低いものの、ベンチャーマインドをうまく企業文化に取り入れて絶えず事業創造を促進させています。
ベンチャー企業全てが破綻リスクが高い訳でもないでしょう。
ベンチャー企業は、悪い意味でも最高責任者の考え方やキャラクターが鮮明に影響する組織です。
職場のルールや組織は始めたころは全て社長、または立ち上げ時のメンバーで創り上げていきますから、大企業と比べ、企業風土にさえ独創性が出やすいと言えます。
またベンチャー企業は結果に対する評価がシビアな企業がほとんどです。
この企業風土と合っていないと入社後に再転職しないといけない事態にも発展しますので、ご自身のビジョンと企業風土があっているか検討はきちんとしてくださいね。
ベンチャー企業に向いている向いていない40代の違い
私自身リストラされて転職活動した際、ベンチャー企業から内定をもらえましたが、どうも企業風土に馴染めないと考えたため結局内定は辞退させてもらいました。
私はベンチャー企業に向いている40代に特徴はあると考えています。
ベンチャー企業で働くことは、大企業で働く場合とは別次元。
働くスタイルが違うことは、ベンチャーに向いている人と向いていない人がいるのは当然の結果でして、ご自身がベンチャーに向いているか否か事前に確認してみてください。
ベンチャー企業は、深夜まで残業したり中には土日出勤も見受けられたりします。
事業が大きくなる際は、やはり多忙を極めるケースが多くあります。
そういったときでも、仕事を道楽と同じく喜んで行なえる40代はベンチャー向きでしょう。
ベンチャー企業は、指示待ちする40代を採用してる余地はありません。
教育体制も整っていないなかで、自らがガンガン仕事して飛躍してくれる40代を期待います。
自分は指示がないと動けない「指示待ち人間」だと考えられる場合は、ベンチャーへの転職はやめた方が無難でしょう。
ベンチャー企業は、業務が多岐に及んだ場合であっても、社員を簡単に増やすことができない場合が多いです。
一人で幾つもの仕事をかけもちして仕事をすることだって考えられることもあります。
正直なところこれが何と言っても重要かもしれないですね。
ベンチャー企業は、かつて無いサービスを展開するので、次々にめんどうなことや難題に見舞われることが本当に多い。
耐え難いとしても、逃げないでやりきる意思が揺るぎない40代はベンチャー向きだと考えられます。
ベンチャー企業に転職するメリットは出世できる可能性
ベンチャー企業は転職先と考えるには厳しいと感じてしまう40代も多いですが、ベンチャー企業に転職するメリットも当然あります。
大企業の場合、管理職になることができるのは30代以降のほうがはるかに多い。
しかし、ベンチャー企業の場合、2年目から数十名にも及ぶチームの部下を引っ張って業務をこなす中高年も割と見受けられます。
ベンチャー企業のほうがマネージメント経験をスピーディーに経験できることもあります。
時にはベンチャー企業の重役、グループ会社の最高経営責任者に転じる方も数多くいるわけです。
大企業の場合、自分の会社の社長と会ったことすらない社員も多い中、ベンチャー企業では、同じ職場、同じフロア、究極のところすぐそばで勤務できることも考えられます。
最高経営責任者の間近で勤務することによってあなたがしたいと考える業務や発案など具申し得る風土は、自らがガッツリ提案してみたいといった前向きな志向性を持っている40代には、お薦めできる環境なのかもしれません。
ベンチャー企業へ転職したら、年収が急激に下がることが多いですが、入社後の活躍によっては考えている以上に膨れ上がる人も大勢いらっしゃいます。
また企業の成長と共に、お給料、待遇は改善されていくことが多いと言えます。
40代がベンチャーに転職して失敗と感じる理想と現実
ベンチャー企業への転職で失敗してしまう原因は、理想と現実に大きなギャップがあった理由が最も多くなっています。
ベンチャー企業への転職理由で最も多いのが、ベンチャー企業は成長できるステージが多そうに見えたもの。大企業は職を失うことはないけど年功序列はもうウンザリだ。
もっともっと実力を評価してもらいたい。
現在は組織という障壁が邪魔で、風通しが悪いので個人的な意見が通過しないフラストレーションから、ベンチャー企業なら成長できそうだと目がいってしまう。
ところが、リアルに転職したところ思ったように実力を発揮できない、社風になじめないと立ち止まってしまう40代。
またベンチャー企業では、大企業に比べると組織的な研修制度を準備していないケースがあります。
「成長=教わる」という姿勢で転職したらビックリするほど学べない、成長できないと苦悩してしまいます。前からチャレンジしてみたかった仕事や、あこがれの業界など、転職で憧れの仕事を目指す中高年は多いです。
けれども転職に成功し夢が叶ったと喜んだのもほんの一瞬、期待していた仕事と違った、イメージしていた職場環境ではなかった激務についていけないなどと、挫折する人が後を絶たないのも現況です。
それは転職によって役職が上がってしまった場合によく起こり得ります。
裁量権を持っている分、責務も重くなり気分的にツラい。
自分のスキルが周りと同じレベルに届かない。サバサバした社風になじめないような不安を感じてしまうことが多いものです。
はっきり言ってベンチャー企業は、大企業に比べると実力主義を採用していたり、組織の自由度や社風において独自性を持つ企業の見られるのも事実。
ですがベンチャー企業のすべてがそうとは言えませんし、自分自身の理想としている環境が必ず存在するとは言い難い。
企業にも左右されますが、ベンチャー企業は組織が小規模な分、職種を越えて業務を依頼されることがほとんど。
新しい業務にトライすることは成長に結びつきますが、前職では他部署がやっていた業務も、ベンチャー企業では何もかもたった一人でしないといけなくなったと、
思っていた以上の業務範囲に躊躇したり、業務をやり通すだけで精一杯で終わることも多いでしょう。
いつしかサービス残業が普通になってしまい体力的にキツく感じてしまうケース。
こんなふうに現状をよく理解せず、自分自身の理想やイメージだけで転職先を結論付けてしまうと、入社後に「失敗した」と後悔する事態に陥ります。
40代で突然リストラされた管理人から一言アドバイス
ベンチャー企業に対する憧れや理想と、現実のギャップが大きすぎたのなら誰しも絶望してしまいますね。
カッコいいオフィスに、至れり尽くせりの福利厚生。定時上がりで、和気あいあいの職場。
テレワークが認められるから「今日は自宅で仕事しますね!」と理想を思い描いていたら、ド・ブラック企業だった話は転職あるあるです。
しかもギャップが埋められず、転職をしようと思っても応募先を探して面接が入り始めるまで時間がかかります。
私自身、40代で突然リストラされて転職活動しましたが、面接が入り始めるまで3~4か月かかりずいぶん苦労。
リストラされて職場を去ったので、ある意味ギリギリの精神状態だったし、転職活動に全精力をつぎ込める状態ではありませんでした。
ですから、40代は今すぐ転職する気がなくても、万が一の場合に備えて転職サイトに登録。自分の相場なり職種の需要を見極めておくべきです。
気になる求人情報を把握しておくだけでも転職の選択肢が増え、私のようにストレスや疲労感が限界に達してしまう前に行動することができる。
基本的に転職サイトは、登録無料ですし、あなたの希望条件に見合った求人や、職歴にマッチした新着求人メールが届く仕組み。
転職サイトに登録しても、ウザい勧誘メールが来るだけと敬遠している方もいらっしゃいますが、それも勧誘メールは受信しない設定にしておけばいいだけ。
その他は、最新の業界情報を提供してくれるだけなんだから、得にしかならないでしょ?
しかも、転職エージェントと違って「面談しに来てください」なんて面倒な電話も掛かってきません。
一度メンドくさい職務履歴を登録しておくだけで、企業の採用担当者から直接スカウトメールが来るんです?
特に、リクナビNEXTなんかは無料の性格診断や自己分析ツールも充実しているから、使わない手はないんじゃない?
グットポイント診断で自分の適性年収を把握しておけば、転職エージェントで「あなたに紹介できる求人はない」と暴言吐かれてもショックを受けることはなくなりますよね!!
転職先としてのベンチャー企業は大穴か検証した結果
最後に要点を纏めておきますので参考にしてください。
- ベンチャーで40代が必要とされるのは創業期
- ベンチャー企業は最高責任者の考え方が鮮明に影響する組織
- 指示待ちの40代にベンチャー企業は向かない
- ベンチャー企業の魅力は、一気に出世できる可能性
一般企業と違い、様々なデメリットがあるベンチャー企業ですが、急成長したあかつきにはメルカリのような、アメリカンドリームが待っているかもしれませんね。
是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?