2018年もあと僅かとなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

我が家ではようやく、年末の大掃除が終わってひと段落しているところです。数年前、私は10年余り勤めた先から突然リストラされてしまい、1年間の転職活動を余儀なくされました。

多くの40代が半年ほどで転職できてしまう現実があるのに、私が何故1年余りかかってしまったのか?

倉庫作業員としてのキャリアが長い私には、多数の倉庫業者様からお誘いがありました。一時は倉庫責任者まで経験したものですから、「斎藤さんは倉庫SV職が似合っていると思う」とキャリアカウンセラーからも強く押されていました。

がしかし、やはり総務職としてのキャリアを貫きた、という想いが強かったからなのです。多くの転職本が、ほんの一部の成功者や、エリート、管理職経験者などの美談を描いています。

でも、転職は決して美談ではないし、もっと泥臭いものです。

社会人ほど、年末に「キャリアの棚卸し」をしてほしい理由

「年の瀬も迫ってきたし、自分の一年を振り返りたい」

こう思ったことはありませんか?

私はあります。

「自己分析」と聞くと、一般的には就活生がするものというイメージを持つ人も多いでしょう。

たしかに、年末年始といえば就活の自己分析本が最も売れるシーズン。その意味で、年の瀬に自己分析する就活生、というイメージは間違っていません。ですが、私は思いますが、どう考えても「むしろ社会人の方にこそ自己分析が必要だ」と思います。

普段、目の前の仕事に忙しく、なかなか自分のキャリアを振り返るチャンスのない社会人。

でも、結婚、家族、ローン、昇進レース、親の介護など、明らかに学生時代より「考慮すべき項目」は多い。

場合によっては、転職も視野に入ってくるでしょう。

そこで今回は、普段は忙しい社会人が、年の瀬に自分のキャリアを棚卸しするための3つのステップをご紹介します。

ステップ0 なぜ、キャリアの棚卸しが必要なのかを理解する

急がば回れですが、まず、一番重要なのは「なぜ、そもそも棚卸しが必要なのか」を理解することです。

学術的なキャリア論には「キャリアドラフト」という概念があります。

これは、キャリアは節目だけをデザインし、それ以外は、予期せぬチャンスに柔軟に対応するためあえて流れに身を任せるという考え方です。大学受験にたとえると「どの大学を受けるか」は、ちゃんと熟考して決めるべきだけど、一度決めたらそのあとは目の前のことをしばらくは頑張りなさい、ということ。

これ自体は特に違和感はありません。

ですが、大学受験と、キャリアの最大の違いは、「自分の立ち位置を客観的に測る方法」が少ないことです。大学受験では、ひとつの大学を目指している受験生が模試や、教材の進み具合によって「自分がどこにいるのか」を相対的に把握する術があります。

一方で、キャリアにはない。

もちろん、社内における人事考課があるため、会社の同一バンド内における立ち位置は測ることができます。ただ、たとえるなら、他校の生徒も参加する「全国模試」のように、客観的に自分を把握する機会はほとんどありません。

その意味で、年末、キャリアの棚卸しをする理由は、「自分の市場価値をつかむための時間」だと認識するとわかりやすいでしょう。

ステップ1 今年やった仕事を洗い出す

では、具体的にどのようにしてキャリアの棚卸しをすればいいでしょうか?

まず、オススメしたいのが、自分が今年一年で担当した業務の棚卸しです。何をやり、どんな成果を出したのか、これを箇条書きで書き出していきます。網羅性を重視するのであれば、四半期ごとぐらいに、1~3月、4~6月、7〜9月、10〜12月というふうに、それぞれを思い出しながらやると出しやすいでしょう。

この際、大事なのは、時間的にたくさん使ってはいない細かい業務もきちんと洗い出すことです。

たとえば、営業部員が少しだけ社内の研修業務も担当したとしましょう。時間的には少しであったとしても、その研修業務もきちんと書き出すことです。たとえば以下のようなイメージです。
<1〜3月>
既存のクライアント10社に対するコンサルティング営業。

売上目標XXX万円に対して実績YYY万円。達成率zzz%

・社内営業向けの研修業務。50名に対して実施。
・新規サービスに対するCSのアイデア出し

業務の棚卸しをする理由は「次のキャリアの橋となる種」を見つけ出すためです。これはステップ2につながります。

ステップ2 棚卸した業務を分類してみる

業務の棚卸しをしたら、次は自分なりにその業務を分類してみましょう。どんな分類の方法でもいいでのですが、私は以下の3つで分類することをオススメします。

・楽しさ:その中で自分が一番ワクワクした仕事はどれだろうか?反対に一番辛かったのはどれ?
・成果:その中で最も成果がわかりやすいのはどれだろうか? 同期や同僚と比べても、あなたが上手にできたものはどれだろうか?
・レア度:それはどれぐらいレアな経験で「他の人がなかなか経験しづらいもの」であるだろうか?

たとえば、上述の営業マンであれば、成果として最もわかりやすいのは、営業目標の達成でしょうが、実は自分が一番好きなのは研修業務かもしれません。

ステップ1であえて、細かい業務まで箇条書きしたのは、まさにこの「楽しさ」と「レア度」でも自分の業務を見つめるためです。

この背景にあるのは、「自分がたくさん時間を使ったからといって、その業務が必ずしも、あなたの市場価値を高めるとは限らない」ということ。あるいは、普段の業務からも「自分の好きなこと」は見つけられるかもしれないということです。

ステップ3 転職で話すとしたらどうアピールできるか? を考える

さて、最後です。

次にやるべきことは、棚卸しした業務を「仮に面接の場でアピールするとしたらどうやって話すだろうか?」と考えることです。全部やる必要はありません。主要なものだけで大丈夫です。

たとえば、上の営業のケースであれば、「営業目標達成→数字に対してコミットし、成果を出してきました」「研修業務→社内へのナレッジ共有も得意です」とアピールできるかもしれません。

このプロセスによって自分が積み上げてきた業務を客観化することができます。「自分がやったことはこんな価値があったんだ」「転職するとしたら、こういう業界がよさそうだな」と言ったことが見えてくるはずです。

『転職の思考法』で書いたとおり、重要なのは「転職すること」ではありません。

むしろもっと大事なのは「鷹の目」と「虫の目」を持つこと。市場価値と、社内価値を分けて考えられること。

そのうえで「いつでも転職できる自分を作っておくこと」です。そうすれば結果的に今の仕事にも熱中し、きっとあなたのキャリアにプラスになるはずです。

年末年始、忙しかった一年だからこそ、一緒にキャリアを棚卸ししませんか?

本当に「リアリティ」のある転職本を届けたい

はじめまして。北野唯我と申します。

今回、初の著書『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』 を出版しました。おかげさまですでにお読み頂いた方から、多くの感想を頂いています。

「もしも約1年前にこの本に出会っていたら、私はいま、どんな会社にいたのだろう。ページをめくるたびにこれまで考えもしなかった声が私の中に出てきた」(20代、女性、メーカー)

「物語形式だったので、主人公に共感できる描写が多く、“情報を見極める思考の軸”の大切さを、よりリアルに感じ取れた」(30代、男性、マスコミ)

転職を考えている人は必ず読むべき本だと言える。一方で、すでに転職をした人が読むと、後悔するかもしれない。自分の転職が正しかったのか、答え合わせができてしまうからだ。(30代、男性、弁護士)

本当にありがとうございます。

私は普段、ハイクラス向けの就職ポータルサイトを運営する会社で役員をしています。そこで、サイトの編集長としてコラム執筆や対談、企業現場の取材を行っています。また、自分自身が20代で二回、大企業からの転職を経験しています。

これらの経験から、テレビに加え、日本経済新聞・プレジデントなどで「職業人生の設計」の専門家として多くのコメントを寄せてきました。

その際に、私が一番大切にしていることは「リアリティがあること」です。

多くの転職に関する本は、一部の「圧倒的な成功者」や「極論」で埋め尽くされています。たとえば、「好きなことだけやれ」とか「とりあえず、独立してみろ」などです。

でも、本当にそうなのでしょうか? これは、本当にリアリティがあるのでしょうか? 私はそう思いません。

というのも、自分自身が初めて転職したとき、もっと現実的なアドバイスが欲しかったからです。

私が初めて会社を辞めると決めたとき、正直、めちゃくちゃ迷いました。頭ではこうすべき! と思っていても、なかなか勇気が出ずに、寝れない日々が続きました。当時付き合っていた彼女にも弱音を吐いて、叱責されたりもしました。ダサいですよね。

でも、それが「仕事選びのリアリティ」ではないでしょうか?

仕事選びって本当は、キラキラしたカッコイイ部分だけではないはずです。

「転職して給与が下がったらどうしよう」
「恋人やパートナーは反対するだろうか」
「お世話になった上司にどう言うべきか」

そんなウジウジした気持ちを、まるっと含んだものだと思うのです。

だったらその部分まで含んだ「アドバイス」が必要なはずです。

『転職の思考法』は物語形式で進みます。主人公である青野は、「勝負の分かれ目」ともいえる年齢を迎え、どうキャリアを形成していくべきかを真剣に悩んでいます。そんなある日、彼はふと立ち寄った本屋で雑誌を手に取りました。

そこには「昇進ポテンシャルのなくなった、大企業のサラリーマンの悲惨な末路」が描かれていました。

大企業でなんとなく20年生きてきた先輩たちが、自分の人生を挽回するためにもがき、消えていく姿です。青野は10年前なら「笑って読み飛ばしていた」でしょう。でも、今は違います。
「自分はどうだろうか? 果たして、今の会社にいても大丈夫なのか?」そう思ってしまったのです。

だって、自分には、特別な専門性もない。大きな組織を率いた経験もない。他者を圧倒するような才能もない、そう感じていたからです。つまり、この本は、どこかのスーパースターではなく、私たちのための本だと思うのです。

私が転職をしようとしていたとき、「もっと早く教えてほしかった」「こんな本があればいいのに」というすべての知識を詰め込みました。まさに「あのとき、本当に読みたかった」リアリティのある本です。

今は、二人に一人が「人生で一度は転職する時代」と言われます。ずっと先回しにしてきた「あなたの職業人生の設計」について、これを機会に、しっかり、見つめる機会を持ちませんか?

この本を通じて、少しでもモヤモヤが吹っきれたとしたら、これ以上に幸せなことはありません。

2018年12月27日 DIAMOND ONLINE より引用

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